親が自己破産したら、子供に影響が出る?子供が影響を受ける可能性のあることとは?

自己破産を考えているときに、気になるのが、自己破産後の生活だと思います。特に、親として、子供にどんな影響があるか、あらかじめ把握しておきたいという方は多くいらっしゃると思います。そこで「自己破産して子供に迷惑かけてしまったら、どうしよう?」と考えている方に向けて、そもそも子供に影響が出るか?また、どのような場合に子供が影響を受けるか?という疑問について解説します。

親が自己破産しても原則として子供に影響はない

親が自己破産しても、原則として子供に影響はありません。自己破産はあくまで個人が行なう手続きなので、親が自己破産したからといって、自動的に子供も自己破産しなければならないということはありません。

子供に影響が出ると誤解されていること

自己破産したら、子供に影響が出るのではないかと心配されている方もいらっしゃると思います。ここでは、子供に影響が出ると誤解されていることについて、正しく理解してもらえるよう具体的に説明します。

進学に影響が出る?

子供の進学にあたり、学校が、親の自己破産を調査することはありません
学費については、自己資金から支払うことは可能ですし、子供が奨学金を利用することもできます。ただし、奨学金の場合、自己破産をした親が保証人になることは難しいので、機関保証の利用や、他の親族に保証人になってもらうことを検討する必要があります。

子供もクレジットカードを作成したりローンを組めなくなる?

自己破産すると、そのことが信用情報に記録され、いわゆる「ブラックリスト状態」になりますが、これは、あくまで自己破産した本人に限るものなので、子供には影響はありません。そのため、親が自己破産したとしても、子供がクレジットカードを作ったり、ローンを組むことは可能です。
なお、自己破産による「ブラックリスト状態」は一般的に5~10年といわれています。

子供の財産は守られる?

自己破産すると一定の財産を除いて全て財産を処分しないといけませんが、子供の財産は処分対象に含まれません。そのため、親が自己破産したとしても、子供が自分で取得した車や現金・預金などの財産は守られます。ただし、自己破産せざるをえない状態と分かっていながら、子供へ財産を譲渡をしていると、不当な財産移転として、管財人からその財産譲渡を否認される(なかったことにされる)ので、自己破産直前の財産譲渡は行なわないようにしましょう。

貸金業者から子供に取り立てがいく?

親が自己破産をして借金の支払い義務を免責された後に、その義務を子供が負うということはありません。そのため、貸金業者から子供に取り立てがいくこともありません。
そもそも、ご本人ついても、自己破産を弁護士に依頼して、弁護士から受任通知が貸金業者に送られると、貸金業者による督促や取り立てが止まります。

戸籍に記録される?

親が自己破産をしたという記録が戸籍に記録されることはありません。そのため、戸籍を通じて、親が自己破産をしたという事実が分かってしまうことはありません。

自己破産のよくある誤解

子供に影響を与える可能性があること

親が自己破産しても原則として子供に影響はありませんが、親の財産状況などによっては、子供の暮らしや生活などに影響を与える可能性があります。ここではどのような影響が生じる可能性があるのか説明します。

自宅を手放して引っ越しすることに

自己破産する親が自宅不動産を所有していた場合、その自宅は自己破産で手放すことになります。そのため、自己破産にともなって引っ越しをしなくてはいけなくなります。
転居が必要なケースでは、子供の通学に影響を与える可能性があります。
債務整理には、個人再生という持ち家を残しながら借金を大幅に圧縮できる方法もあるので、まずは弁護士に相談してみましょう。

学資保険は解約になる?

将来の学費に備えて学資保険に加入している場合、維持できない可能性があります。ただし、自己破産の手続きは裁判所ごとに運用が異なるので、詳しくは弁護士に相談してみましょう。

家族カードが使えなくなる

親が自己破産すると、クレジットカードは強制解約されることになります。親が親カードで子が子カードの家族カードでは、親の解約にともなって、子のカードも使用できなくなります。そのため、子供が継続してクレジットカード利用をするためには、新たに子供名義のクレジットカードを作る必要があります。

子供が親の連帯保証人になっている場合

親の借金について子供が連帯保証人になっているケースでは、親が自己破産して借金の返済義務を免れたとしても、連帯保証人である子供に返済義務は残ります。そのため、連帯保証人となっている借金を子供が返済できない場合は、子供も債務整理を検討する必要があります。

自己破産のことでお悩みならホームワンへご相談

借金返済は苦しいのに、自己破産したら子供に迷惑をかけてしまうと思って、自己破産をためらっている人は意外と多いのではないでしょうか。これまでみてきたように、親が自己破産しても、原則として子供に影響はありません。影響があるかもしれないと思っていることは、その大半が誤解に基づいていて、影響を与えることがあっても適切な対応を取れば、問題が生じることはありません。もしも、それでも不安が解消されないのであれば、弁護士に相談する際に、あらかじめ質問を用意しておきましょう。ホームワンでは自己破産の無料相談を受け付けていますので、お気軽にご相談いただければと思います。

親が自己破産したら、子供に影響が出る? まとめ

  • 親が自己破産すると、貸金業者から子供に取り立てがいく?
    親が自己破産をして借金の支払い義務を免責された後に、その義務を子供が負うということはありません。
  • 戸籍に記録される?
    親が自己破産をしたという記録が戸籍に記録されることはありません。
  • 学資保険は解約になる?
    学資保険に加入している場合、維持できない可能性があります。
代表弁護士中原俊明
代表弁護士 中原俊明 (東京弁護士会所属)
  • 1954年 東京都出身
  • 1978年 中央大学法学部卒業
  • 1987年 弁護士登録(登録番号:20255)
  • 2008年 法律事務所ホームワン開所

債務整理、特に破産事件を数多く取り扱ってきた。これまでに破産申立を行なった件数は6000件以上。依頼人の利益を考えることを第一に、法律サービスをもっと身近なものにしていくことを目指す。東京弁護士会春秋会の一員として編集に携わった書籍に『実践 訴訟戦術-弁護士はみんな悩んでいる-』などがある。

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