過払い金返還請求のデメリット・メリット

過払い金返還請求のデメリットとメリット
弁護士谷崎 広輝
<監修者> 弁護士 谷崎 広輝
それぞれのお客様の抱える問題に一緒に向き合うことの責任の重さを強く感じています。お客様の相談を受ける際には、一つとして同じ問題はないということを常に心掛けています。

過払い金のご相談を受けていると、過払い金返還請求をすることでどのようなデメリットがあるのかを心配される方が多くおられます。ここでは、過払い金返還請求のデメリットとメリットについてご説明します。

まず、過払い金返還請求のデメリットは、請求する先の業者からまだ借入が残っていて借金を返済中の場合は、信用情報機関に事故情報(異動情報)が登録される可能性があるということです(いわゆるブラックリスト)。信用情報機関に事故情報が登録された場合、新たにクレジットカードを作成したり、ローンを組んだりしようとしても、契約の審査に通らないなどの不利益が発生します。一方で、請求する先の業者からの借入を完済している場合には、信用情報機関に事故情報が登録されるおそれはなく、そのようなデメリットありません。

過払い金返還請求の最大のメリットは、お金が戻ってくる可能性があるということです。もしまだ借金が残っていたとしても、過払い金が発生していた場合、過払い金返還請求をすることで、借金を支払う必要がなくなり、さらにお金が戻ってきます。借入を完済している場合は、デメリットもなく、お金を取り戻せる可能性があります。

ただし、貸金業者と過払い金について一度和解(過払い金返還を受ける合意)をしてしまうと、再び請求することができませんので、過払い金返還請求について十分に理解したうえで、和解をする必要があります。

過払い金とは?

過払い金返還請求のデメリット

  • 返済途中で過払い金返還請求をした場合、一時的に信用情報に登録される(ブラックリストに載る)可能性がある。

過払い金返還請求のメリット

  • 借金がなくなり、払いすぎたお金が戻ってくる。
  • 完済している場合には、信用情報に登録されるおそれはなく、特にデメリットはない。

完済している場合のデメリット・メリット

借金を完済していれば、払い過ぎた利息がそのまま過払い金として戻って来ますので、「過払い金返還請求をした」という事実は信用情報に登録されません。つまり、完済後であれば、ブラックリストに載るというようなデメリットはありません。ただし、完済してから10年で過払い金返還請求権は時効になってしまうため、時効になる前に早めに過払い金返還請求をする必要があります。

過払い金の時効について

完済している場合のデメリット

  • 完済日から10年以上経過してしまうと時効になってしまい、過払い金が取り戻せない。

完済している場合のメリット

  • 借金と相殺されることもないため、払い過ぎた利息がそのまま過払い金として戻ってくる。
  • ブラックリストのリスクなく、過払い金を取り戻せる。

返済中の場合のデメリット・メリット

現在、借金を返済中の業者に対しても、過払い金の返還請求は可能です。もし過払い金があれば、現在返済中の借金はなくなり、借金の返済は不要になります。そのうえ、取り戻せた過払い金を、他の業者からの借金の返済にあてることも可能ですので、生活収支の改善も見込めます。

ただし、返済中に過払い金返還請求をした場合、過払い金が確定するまでの間に、貸金業者が信用情報に「債務整理を行なった」という事実を登録してしまうことがあります。完済前の過払い金請求は、信用情報に影響する(ブラックリストに載る)可能性があります。

クレジットカードの過払い請求で必ずチェックすべきリスクポイント

1)キャッシングは完済しているが、ショッピング利用の支払いが残っている状態での過払い金請求をする場合
過払い金返還請求は、クレジットカードの会社ごとに行うため、ショッピング利用は除いて、キャッシング(貸金)利用のみを対象として過払い金返還請求をすることはできません。そのため、信用情報への影響を考える場合には、ショッピング利用の支払いも終えてから請求をする必要があります。
2)公共料金やプロバイダ料金などの定期的な支払いに利用している場合
過払い金請求をしたクレジットカードについては利用ができなくなり(解約)、定期的な支払いができなくなる可能性があります。口座からの引落しやコンビニ払いに変更するなど、事前に支払方法の変更をする必要があります。
3)クレジットカードのポイントが残っている場合
過払い金請求をする場合、利用していたクレジットカードが使えなくなります。それと同時に、クレジットカードに付帯するポイントは消滅する可能性が高いので、過払い金を請求する前に使ってしまうようにしましょう。
4)引き続きクレジットカードを使いたい場合
過払い金請求をした場合、その対象になるクレジットカードは使えなくなります。クレジットカードが必要な場合は、他の会社で新たにクレジットカードを作ってから手続を進めた方がよいでしょう。
5)ETCカードを使いたい場合
クレジットカードのサービスとして提供されているETCカードを利用している場合、そのクレジットカード会社に過払い金返還請求を行なうと、ETCカードが使えなくなる可能性があります。また、別の会社に過払い金請求をしたとしても、それにより信用情報機関に事故情報が登録されてしまい、ETCカードが使えなくなってしまう可能性があります。こういった場合、クレジットカードがなくても利用できる「ETCパーソナルカード」というものがありますので、こちらへの切り替えを検討しましょう。「ETCパーソナルカード」であれば、過払い金請求とは関係なく利用し続ける事が出来ます。
ETCパーソナルカードについての詳細は、こちらのサイトを参照ください。
http://www.go-etc.jp/personalcard/personalcard.html

返済中の場合のデメリット

  • 一時的にブラックリストに載る可能性がある。

返済中の場合のメリット

  • 借金がなくなり、過払い金が戻ってくる可能性がある。
  • 取り戻せた過払い金で生活収支の改善が図れる。

弁護士・司法書士に頼むデメリット・メリット

過払い金返還請求は、自分で手続きをするか、弁護士など専門家に依頼するかの選択をすることができます。

現在、ほとんどすべての貸金業者が、過払い金返還請求を受けても、満額の支払いに応じず、減額での和解提案をしてきます。過払い金返還請求に関する法的知識や、貸金業者との交渉経験がない方だと、貸金業者に対して和解額の増額を求めて交渉をしていくのが難しいと思われます。

弁護士など専門家に依頼するメリットは、取引履歴の取り寄せ、利息制限法に基づく引き直し計算、貸金業者との交渉や裁判など、面倒な手間を一切任せることができることです。

弁護士に依頼した後は、どれくらいの金額で和解するか、裁判をするかどうかといった判断をするだけです。また、過払い金の金額に関係なく返還請求ができる専門家は、弁護士だけです。

弁護士と司法書士の違い

弁護士・司法書士に頼むデメリット

  • 専門家に依頼した場合、報酬、手数料などの費用がかかるため、回収額の全額を受け取ることができない。

弁護士・司法書士に頼むメリット

  • 法的知識に基づいた交渉により、自分で請求するよりも高い金額での和解が期待できる。
  • 専門家に依頼した場合、裁判で過払い金を請求する場合でも、裁判所への出頭や書類作成等、法的知識がないと難しい対応も任せられる。
  • 弁護士であれば、過払い金の金額に関係なく返還請求ができる。

自分で過払い請求するデメリット・メリット

自分で過払い金を請求する場合、すべての手続を業者と直接やり取りする必要があります。まず、借入先の業者から取引履歴を取り寄せ、利息制限法に基づいて利息の引き直し計算を行ないます。業者によっては複雑な形式の取引履歴もあり、貸金契約の専門知識がないと計算すらままならないこともあります。

計算をして過払い金があることが判明した場合、貸金業者に対して過払い金の返還を請求します。業者によっては、そもそも過払い金の返還請求に応じようとしないとか、応じてきたとしても減額した金額で和解しようとするため、金額に納得ができないなどで和解できない場合、裁判をして争う必要があります。

裁判では書面を提出して主張をすることになりますが、書面の作成には、過払い金返還請求に関する過去の判例などの法的知識と、裁判官を納得させられるだけの法的な文章力が必要となります。そのうえ、裁判になると貸金業者が代理人として弁護士をつけて様々な主張をしてくる場合もあるため、それに対して適確に反論していく必要があります。

また、裁判の途中で、双方の主張が真っ向から対立している場合、裁判所から中間的な金額で和解するように勧められることがあります。法的知識がないと、裁判の見通しが立てられず、いくらで和解するのが自分に有利かどうかの判断がつかないということがあります。

自分で過払い請求するデメリット

  • 回収までに多大な労力と時間が必要になる。
  • 業者によっては、計算や交渉が難しく、専門知識がないと正確な過払い金の計算が出来ない場合がある。
  • そもそも業者が過払い金の返還交渉に応じてこない場合もある。
  • 過払い金の返還の交渉に応じてきたとしても、不当に低額の和解金額を提示されることがある。
  • 交渉でまとまらない場合、裁判で解決を図る必要があるため、裁判所に書面を提出したり、裁判期日に出頭したりする必要がある。
  • 業者が弁護士を付けた場合、弁護士と渡り合う必要があり、法律知識が乏しい場合、満足いく回収ができるとは限らない。

自分で過払い請求するメリット

  • 弁護士など専門家へ払う費用(報酬や手数料)が発生せず、返還された過払い金すべてを受け取ることができる。

過払い金返還請求のデメリット・メリット まとめ

  • 過払い金返還請求のデメリットは何ですか?
    返済中の業者に対して過払い金返還請求をした場合、一時的に信用情報に事故情報が登録される、いわゆるブラックリストの状態になる可能性があります。完済している場合は、信用情報に事故情報が登録されるおそれはなく、特にデメリットなく手続ができます。
  • 過払い金返還請求のメリットは何ですか?
    払いすぎたお金が戻ってきます。返済中の業者に対して請求をする場合には、借金がなくなり、返済が不要になるというメリットもあります。
  • 自分で過払い金返還請求をするデメリットは何ですか?
    回収までに多大な労力と時間が必要です。また、専門知識がないと正確な過払い金の計算ができない場合や、業者によってはそもそも交渉に応じない場合、不当に低額の和解金額を提示される場合などがあります。

ホームワンで過払い請求をお考えの方へ

事務所設立当初から、債務整理分野(過払い金返還請求含む)に力を注いできました。おかげさまで、全国から多くのご相談をいただき、この10年の間で18万件を超える相談実績を積み上げることができました。

当事務所では、ご依頼いただく前に、デメリット、メリット、費用の詳細を丁寧に説明し、お客様が納得した上で、事件を受けるようにしています。また、依頼いただいた後も事件の進捗状況に応じて、詳細に報告・説明をしています。事件の節目(和解するかどうか等)の際には、必ず依頼者の方のご意向をうかがい、ご納得していただいた上で事件を進めています。

よく、全国展開している大手事務所は、連絡がない、放置される、勝手に和解された、などの評判を見かけますが、当事務所ではそういった事のないよう、細心の注意を払い、お客様が納得のいく事件解決を心掛けています。

費用についても、完済している事件の過払い金返還請求は、完全後払い制です。また、過払い金無料調査を行っておりますので、過払い金が回収出来なかった場合でも、調査にかかった費用を請求する事はしていません。

借金がある方のご相談についても、減額成功報酬はいただかないなど、依頼しやすい環境作りを進めています。

当ホームページをご覧になって、ホームワンへご相談されることを弁護士、スタッフ一同心待ちにしております。

代表弁護士 山田冬樹

Webからご相談を申し込む

Web相談申込

過払い金返還請求に関する無料相談・無料調査はこちらからどうぞ。全国対応、お気軽にご相談ください。