債務整理における弁護士と司法書士の違い

債務整理における弁護士と司法書士の違い

債務整理における弁護士と司法書士の違い

そもそも、弁護士と司法書士の違いは?

弁護士も司法書士も国家資格です。弁護士は原則法科大学院を卒業、司法試験合格、司法研修所での研修、司法修習生考試合格(通称二回試験)を経て、弁護士会に登録されて得られる資格です。一方、司法書士は司法書士試験に合格し、司法書士会に登録されて得られる資格です。

以前は、弁護士は裁判業務、司法書士は登記及び裁判書面作成業務との役割分担がありました。しかし、2002年4月司法書士法が改正になり、司法書士(代理業務ができる司法書士は認定司法書士と呼ばれます)も100時間の研修を受け、140万円以下の事件に限り、訴訟代理権を認められることになりました。

債務整理における取り扱い上限金額の違い

上記の通り、弁護士には金額の制限がないのに対し、司法書士は訴訟の価格が140万円を超えた場合、代理権が認められていません。また、訴訟代理権は簡易裁判所に限られています。そのため、過払い金が140万円を超えている場合や、控訴されて管轄が地方裁判所になった、簡易裁判所で決着がつかない場合等、司法書士は代理人になれません。その時点で弁護士に切り替えるか、本人自らが法廷に立って、訴訟を進めていく必要があります。ただし、司法書士も控訴理由書等の書面は作ることはできます。

弁護士 司法書士(認定司法書士)
訴額(請求する債権額) 制限なし 140万円以下
訴えられる裁判所 制限なし 簡易裁判所のみ
自己破産、個人再生の申立 できる(代理人申立) できない(本人申立)

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過払い金返還請求における弁護士と司法書士の違い

平成28年6月27日の最高裁判決で、司法書士の業務範囲は「個別の債権額(借金および過払い金)が140万円を超える場合は裁判外の和解を代理できない」と判断されました。この判決に基づいて、過払い金についても次のように明確な基準ができました。

<過払い金が140万円超あった場合>
司法書士 弁護士
回収できない 回収できる 

司法書士は140万円超の過払い金の場合、代理人・和解立会人にはなれません。 それができるのは弁護士だけなのです。「過払い金」の金額だけでなく、「債務額」や「和解立会人」についても、明確な基準が設けられました。

司法書士は140万円を超える債権額は担当できない

自己破産や個人再生における弁護士と司法書士の違い

任意整理の契約途中で、さまざまな事情で方針を自己破産個人再生に変更する場合もありえます。司法書士は自己破産や個人再生の申立代理人にはなれませんので、弁護士に依頼し直すか、本人申立てをする必要があります。

東京地裁では、自己破産、個人再生を申し立てると、裁判官面接があり、その上で決定がなされます。その場合、弁護士は代理人として、本人の立ち会いなく面接を受けることができますが、司法書士は同席できません。東京地裁では、申立ては弁護士に頼むしかないのが現状です。

地方では、裁判官面接(正式には「審尋」)をしないで済み、司法書士でも対処できる場合もあります。しかし、裁判所の判断で裁判官面接を求められた場合、原則、本人が単独で面接を受ける必要があります。最近、地方の裁判所では司法書士の同席を認めてくれるようですが、司法書士は代理人にはなれないので、本人に代わって回答することはできません。

個人再生で、住宅ローンのある場合、銀行等と協議する必要がありますが、債務が高額のため、司法書士は代理人として交渉できないことがあります。140万円以下の不動産は少ないため、家主からの明渡請求があったような場合にも対処できないことが多いです。

司法書士は140万円を超える債権額は担当できない

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代表弁護士中原俊明
中原 俊明法律事務所ホームワン 代表弁護士

東京都出身、1987年 弁護士登録(東京弁護士会所属)、ホームワンの代表弁護士 中原です。一件のご相談が、お客さまにとっては一生に一度きりのものだと知っています。お客様の信頼を得て、ご納得いただける解決の道を見つけたい。それがホームワンの願いです。法律事務所ホームワンでは過払い金・借金問題に関する相談を受け付けています。

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