最高裁判決の要点と解説
平成21年9月4日最高裁第2小法廷(平成21年(受)1192号)
基本契約に基づく金銭消費貸借取引により過払金が発生し、その過払金が過払金充当合意により、その後に発生した貸金債務に充当される場合でも、悪意の受益者である貸主は過払金発生の時から(当然過払金が後発債務に充当される以前から)民法704条前段所定の利息を支払わなければならない。
金銭消費貸借の借主が利息制限法1条1項所定の制限を超えて利息の支払を継続し、その制限超過部分を元本に充当すると過払金が発生した場合において、貸主が悪意の受益者であるときは、貸主は、民法704条前段の規定に基づき、過払金発生の時から同条前段所定の利息を支払わなければならない(大審院昭和2年(オ)第195号同年12月26日判決・法律新聞2806号15頁参照)。このことは、金銭消費貸借が、貸主と借主との間で継続的に金銭の借入れとその弁済が繰り返される旨の基本契約に基づくものであって、当該基本契約が過払金が発生した当時他の借入金債務が存在しなければ過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意(筆者注:過払金充当合意の意)を含むものであった場合でも、異なるところはないと解するのが相当である。
この判決は、過払金が発生した時点で利息は発生するということが当然の前提となっていて(A)、それは、過払金充当合意によって過払金が発生する場合も同様である(B)としたものです。
悪意の受益者が利息を払うのは、公平の観点からなのですから、悪意で受益した以上、その時点で利息が発生するのは当然です。
ただ民法上初日不算入の原則があるため、その翌日から利息が発生します。
業者は、弁済の都度、利息制限法利率で再計算する義務はなく、実際に過払金請求をされてから過払金の存在を認識するのですから、その時点で利息が発生すると主張してくることがよくありますが、これは前記Aの事実まで否定しようとしているもので、論外と言ってよいでしょう。
期限の利益喪失約款があるからといって、当然悪意受益者となる訳ではない
東京都出身、1987年 弁護士登録(東京弁護士会所属)、ホームワンの代表弁護士 中原です。一件のご相談が、お客さまにとっては一生に一度きりのものだと知っています。お客様の信頼を得て、ご納得いただける解決の道を見つけたい。それがホームワンの願いです。法律事務所ホームワンでは過払い金・借金問題に関する相談を受け付けています。
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