消費者金融と過払い金
武富士は、2010年9月28日に、東京地方裁判所に会社更生手続きを申立て、受理されました。会社更生手続きが開始したことにより、武富士に対して過払い金を請求するためには、過払い債権者として会社更生手続きに参加しなければならなくなりました。
会社更生手続きに参加するためには、裁判所に「債権届出書」を提出して、お客様が、武富士に対して過払い金を請求する権利があることを届け出なければなりません。しかし、この届出期間は2011年2月28日に既に終了しており、今から手続きに参加することはできません。
債権届出を済まされた方は、これまで二回に分けて武富士から弁済を受けています。第1回弁済は、2011年12月から順次実施されましたが、債権届出をして認められた金額のわずか3.3%の金額でした。
その後、2016年6月20日に第2回(最終)弁済が原則2016年9月より実施されることが発表され、実際に弁済が行なわれましたが、その弁済率はわずか0.9368%と債権者の満足できるものではありませんでした。しかし、武富士は、これが最後の弁済となると発表しており、その後、2017年3月17日をもって武富士の会社更生手続は終結したため、今後、更生計画に基づく弁済が行なわれる予定はありません。
武富士は、会社更生手続中に、TFK株式会社と商号を変更しました。そのため、現在、「武富士」という会社はありません。
ところで、武富士が会社更生手続きを始めた後、「武富士」のテレビCMが流れていたのを目にされた方もいるかもしれませんが、実は別の会社です。
武富士が会社更生手続きを進める中で、武富士の消費者金融事業を譲り受けた日本保証という貸金業者があり、その会社が「武富士」ブランドを使って営業していたにすぎません。ただし、日本保証も、「武富士」ブランドを使用していないようです。
武富士が会社更生手続きを申し立ててから現在に至るまで、主に過払い金に関する動きには、以下のようなことがありました。
その理由は、武富士が行なっていた裁判にあります。武富士は、会社更生手続の中で、次の裁判を起こしていました。
これらの裁判で武富士が得た金が、第2回(最終)弁済の原資の一部となる、という仕組みになっていましたが、武富士が行なっている裁判に時間がかかった分、第2回(最終)弁済が行なわれる時期や弁済率の決定が遅くなったといえます。
(1)は、地裁で請求が棄却され、高裁でも控訴が棄却され、最終的に、2015年4月14日、最高裁で上告が棄却されたことで、武富士の請求が認められないことが確定しました。
(2)及び(3)は、(2)において、旧役員が17億5000万円を払うこと及び(3)の訴訟を取り下げるという内容で和解が成立し、それに併せて(3)は取り下げられました。
(4)は、地裁で請求が棄却され、その後、高裁における控訴審で請求が認められたものの、最高裁では、控訴審判決を破棄する判決が言い渡され、武富士の請求が認められないことが確定しました。
貸金業者の動向を会社ごとにまとめています。
東京都出身、1987年 弁護士登録(東京弁護士会所属)、ホームワンの代表弁護士 中原です。一件のご相談が、お客さまにとっては一生に一度きりのものだと知っています。お客様の信頼を得て、ご納得いただける解決の道を見つけたい。それがホームワンの願いです。法律事務所ホームワンでは過払い金・借金問題に関する相談を受け付けています。
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