債務整理用語集

債務整理用語集 か行

回数指定払い(かいすうしていばらい)

顧客がカードで借入をする際に、顧客が何回の分割払いをするかを決めることを回数指定払いと言います。信販系のカードには、リボ払いか回数指定払いかを選択させるやり方がとられるものががよくあります。

貸金業法(かしきんぎょうほう)

貸金業法は、元々、貸金業者に対し、業務規制を加える代わりに、利息制限法上限金利を超えた利息の受け取りを認めるためにできた法律でした。しかし、多重債務が社会問題化していたところに、平成18年1月13日にグレーゾーン金利の適用を殆ど不可能とする最高裁判決が出たため、法改正の機運が一気に高まりました。グレーゾーン金利を廃止するとともに、総量規制を中心とした多重債務対策を打ち出した改正貸金業法が同年12月13日に成立しました。

貸付停止(かしつけていし)

過払金は10年で時効になります。しかし、最高裁は「取引が続いているうちは、いつでも新たな借入ができるから、その間、時効は進まない」として、完済後10年経たないと過払金は時効にならないとしました。ただ、最高裁のこの理屈からすれば、「取引中であっても、新たな借入ができなくなった場合」は、その時点で、時効が始まることになります。そうなると、直近の10年間に発生した過払金しかとれないことになります。取引中、新たな借入ができなくなる主な理由は次の3種類です。

  1. 借主の支払い能力が低下した(退職、定年、他社借り入れ増加)。
  2. 長期の延滞があった。
  3. 当事者間の合意で返済だけするようになった(和解した、証書貸付に切替えた、金利を下げて返済を楽にしてもらった)。

①、②により貸付停止になった場合、その時点で時効がスタートすると考える裁判官もいれば、スタートしないと考える裁判官もいます。③により貸付停止になった場合、その時点で時効がスタートすることになります。

過払い金充当合意(かばらいきんじゅうとうごうい)

リボルビング払いを定める極度方式基本契約は、同契約に基づく借入金債務につき過払金が発生した場合には、弁済当時他の借入金債務が存在しなければ上記過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含んでおり、この合意を「過払金充当合意」といいます。1回払い方式とリボルビング払い方式の何れかを選択できる極度方式基本契約において、1回払いにより発生した過払金についても「過払金充当合意」が及ぶかについては、下級審判決は分かれています。

元利均等払い(がんりきんとうばらい)

分割払い方式の一つで、債務残高の変化に関わらず、毎月定額を支払う返済方式をいいます。利息への充当が優先させる結果、債務残高が減少すればするほど、元金返済部分が増え、利息充当分が減ることになります。証書貸付においては、多くの場合、元利均等返済方式が採られます。

期限の利益(きげんのりえき)

期限が付されていることによって、当事者が受ける利益のことを「期限の利益」といいます。例えば、50万円を平成●年●月●日までに返すという定めは、逆に見れば平成●年●月●日まで返さなくて良いということですので、期限の利益を与える規定と言えます。これと同様に、毎月●日限り●万円ずつ支払うという定めも、期限の利益を債務者に与える規定と言えます。

期限の利益喪失条項(きげんのりけきそうしつじょうこう)

支払いが遅れた場合等、一定の事実が発生した場合には、債務者は期限の利益を失う(債務全額を一括して支払う)との契約上の規定を「期限の利益喪失条項」と言います。基本契約 同一当事者間で、取引の基本を定める契約を締結し、その契約に定めた方法に従って同じ取引を繰り返すことがありますが、この取引の基本を定める契約を基本契約といいます。貸金業者や信販会社は、顧客にカードを渡し、顧客との間で基本契約を締結することで、貸付限度額を設定し、顧客がカードを使えばその限度額の中で自由に借入ができるようにしています。

極度方式基本契約(きょくどほうしききほんけいやく)

貸金業法第2条7項は、極度方式基本契約を「貸付けに係る契約のうち、資金需要者である顧客によりあらかじめ定められた条件に従った返済が行われることを条件として、当該顧客の請求に応じ、極度額の限度内において貸付けを行うことを約するものをいう」と定義づけています。貸金業者や信販会社は、顧客にカードを渡し、顧客との間で基本契約を締結することで、貸付限度額を設定し、顧客がカードを使えばその限度額の中で自由に借入ができるようにしており、この基本契約が極度方式基本契約の典型です。

繰上返済(くりあげへんさい)

分割払いが定めてある場合、最終支払い期限以前に債務者の都合で一括返済することを「繰上返済」といいます。繰上げ返済されると、貸主は将来の利息収入が失われるため、その損失を埋めるため、繰上返済の場合は一定の手数料ないし違約金を支払うこととの条項が金銭消費貸借契約書の中に書かれていることがあります。

ある消費者金融業者の「貸付金の弁済期日が到来する前に、貸付金額の全部を償還することができるものとします。この場合は、償還する残元金に対する3パーセントの違約金を負担します。又、第2項(期限の利益の喪失)により貸付金の全部を償還する場合も同様とします。」との規定は、利息制限法上の制限金利を超える金額の支払義務を生ずることになるので、消費者契約法第10条に該当し無効とする京都地裁H21.4.23判決があり、同判決に対する控訴も棄却され、上告受理申し立ても却下されています。そのため、利息制限法を超える金利を取っている場合に、繰上返済手数料ないし違約金を支払わせる規定は消費者契約法10条により無効となります。

グレーゾーン金利(ぐれーぞーんきんり)

平成18年に改正される前の貸金業法の第43条1項は、貸金業者が、貸付後遅滞なく貸金業法17条が要件を満たす契約書を債務者に交付し、弁済受領後遅滞なく同法18条の要件を満たす受取証書(領収証)を交付し、債務者が任意に利息制限法を超過する利息を支払っている限り、利息制限法の制限金利を超える超過利息を支払ったとしても、「有効な利息の債務の弁済」とみなすとしていました(みなし弁済)。

ただ、みなし弁済が認める利率には上限があり、出資法5条2項で定める以上の金利は無効とされていました。利息制限法上の金利と出資法5条2項の金利の間の金利が「グレーゾーン金利」と呼ばれていました出資法5条2項により上限金利は年109.5%から、年73%、年54.75%、年40.004%へと次第に下げられ、最終的には年29.2%にまで下がりました。

公序良俗(こうじょりょうぞく)

民法90条は「公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする」と規定していますが、この「公の秩序又は善良の風俗」を「公序良俗」と呼んでいます。いわゆるヤミ金融の高利による金銭消費貸借契約は、暴利行為であり、公序良俗に反して無効となりますが、貸し渡された元金も不法原因給付(反倫理的行為により行われた給付)といえ、ヤミ金融業者はその返還を求めることはできないというのが、最高裁判例です(H21.6.10)。

代表弁護士中原俊明
中原 俊明法律事務所ホームワン 代表弁護士

東京都出身、1987年 弁護士登録(東京弁護士会所属)、ホームワンの代表弁護士 中原です。一件のご相談が、お客さまにとっては一生に一度きりのものだと知っています。お客様の信頼を得て、ご納得いただける解決の道を見つけたい。それがホームワンの願いです。法律事務所ホームワンでは過払い金・借金問題に関する相談を受け付けています。

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